これまでの記事で、三浦技研のアイアンが持つ歴史、究極の打感、そしてカスタムフィッティングの哲学について深く掘り下げてきました。カスタムクラブの世界では、フィッターとの対話と、ご自身の感覚が何よりも重要になります。
いよいよカスタムフィッティングに臨む読者の方へ向けて、後悔のない「究極の一本」を見つけるために、フィッティング前に確認しておくべき重要なポイントをチェックリスト形式でまとめます。
フィッティングは、現在のスイングや感覚を正確に伝えることから始まります。以下の点を明確に言語化できるように準備しましょう。
| 項目 | 確認内容 | 備考 |
| 打点の傾向 | 芯を外すことが多い場所(トゥ側、ヒール側、トップ、ダフリ)はどこか。 | どの程度の許容性が必要か判断する基準になります。 |
| ミスの傾向 | 意図しない弾道(フック、スライス、プッシュ、チーピン)はどちらか。 | ライ角、シャフト、重心位置の調整に直結します。 |
| 飛距離の課題 | 現状のクラブで番手間の飛距離が適切に分かれているか。 | ロフト角の調整や、番手構成の決定に必要です。 |
| 体力・頻度 | 年齢、ゴルフ歴、練習頻度、筋力レベル。 | シャフト重量やフレックスを選ぶための客観的情報です。 |
三浦技研のフィッティングでは、「打感」や「顔つき」といった感覚的な要素が非常に重視されます。抽象的な感覚を具体的な言葉で表現できるように準備しましょう。
打感の理想: 「硬い」「柔らかい」「弾き感がある」「ボールがフェースに吸い付く」のうち、理想に近い感覚はどれか。
音の理想: 「低く重い音」「高く金属的な音」のうち、好ましいのはどちらか。
弾道の理想: 「低く抑えた弾道」「中弾道で力強い弾道」「高弾道で落下角が大きい弾道」のうち、コースで最も打ちたい弾道はどれか。
顔つきの好み: 構えたときに「トップブレードが薄い方が好きか」「ネックからリーディングエッジにかけてのラインはシャープか、丸い方が良いか」。
三浦技研の現行フラッグシップモデル(TC-102、CB-302など)の中から、ご自身の目標に合ったモデルを絞り込むための最終チェックポイントです。
| モデル系統 | 重視すべき性能 | どのゴルファー向きか |
| TC-102系 | 操作性、繊細なフィーリング、高い寛容性 | 高い操作性を求めつつ、ミスへの許容性も妥協したくない方 |
| CB-302系 | 安定した飛距離、広いスイートエリア、打ちやすさ | 打感を重視しつつ、易しさと安定性を最優先したい方 |
| マッスル系 | 究極の打感、最大操作性、スピンコントロール | 打点の再現性が極めて高く、プロレベルの操作を求める方 |
フィッティングを成功させる鍵は、フィッターとのコミュニケーションです。以下の質問を投げかけ、納得感を高めましょう。
「なぜこのライ角(またはロフト角)が私に最適なのですか?」
「このシャフトとヘッドの組み合わせの相性はどのように評価されますか?」
「現在使用しているクラブとの**数値的な違い(振動数、バランス)**を具体的に教えてください。」
「私が最も重視する『吸い付くような打感』を得るために、最終的にどの研磨仕上げを推奨しますか?」
三浦技研のカスタムフィッティングは、数値データ(ヘッドスピード、スピン量、打ち出し角)と、熟練クラフトマンの目、そしてゴルファー自身の感覚という三位一体で進められます。このチェックリストを参考に、準備万端でフィッティングに臨み、あなただけの「究極の一本」を手にしてください。